■コレクションの由来

   この写真コレクションは、伊藤秀三の 1964 年以来 38 年間 16 回にわたるガラパゴス諸島の植物 / 植生調査のときに撮影したスライド約 1300 枚である。
   調査年と調査地は次の通り。

   1964 年 1 月〜2 月 : カリフォルニア大学バークレイ校企画のガラパゴス国際科学事業計画( GISP, Galapagos International Scientific Project )に調査隊員として参加、サンタクルス島、サンタフェ島、フロレアナ島、エスパニョラ島、サンクリストバル島を調査した。
   1970 年 1 月〜6 月 : 文部省長期在外研究員としてガラパゴス諸島チャールス・ダーウィン研究所に滞在し、次の 19 島(イサベラ島では各火山を1島とする)を調査した。
   東から順に記す、サンクリストバル、エスパニョラ、フロレアナ、チャンピオン、ヘノベサ、サンタフェ、プラサ、バルトラ、サンタクルス、エデン、ダフネ、バルトロメ、サンチャゴ、ビーグル、ラビダ、ピンソン、イサベラ島シエラネグラ火山、イサベラ島アルセド火山、フェルナンディナ。

   1978 年 1 月〜4 月 : 1970 年の調査を補完すべく、セイモア、ガイホーク、ソンブレロチノ、マルチェナ、ピンタ、イサベラ島ダーウィン火山、イサベラ島アスール火山を調査した( 1970 年と重複して調査した島は省略)。

   続けて 1981 年以降に行った調査では、既調査地の再調査や同じ島内の別地区の調査を行ったが、新規調査の島は 1991 年のコアマニョ島だけである。調査年月は次の通りである。
   1981 年8月、 1986 年8月、 1987 年4月、 1991 年1月〜2月、 1995 年3月〜4月、 1995 年8月、 1998 年8月〜9月、 1999 年8月、 1999 年 12 月、 2001 年 2 月、 2001 年 4 月、 2002 年 3 月〜 4 月。

   以上の調査行において、計 27 島(イサベラ島では火山を1島とみなす)の調査を行い、そのうち、 1964 年〜 1995 年までの各島での調査経路は、拙著: Itow, S. 1997. List of Plant Specimens collected in the Galapagos Islands, Ecuador. 長崎大学教養部紀要(自然科学篇)第 38 巻第 1 号、 53-144 頁、図 1-10 に載せてある。
   これらの調査のときに撮影したカラースライドは 3000 枚を超えているが、その中から約 1300 枚を選んでここに収録してある。これらは、キーワード、撮影年、撮影場所 ( 島 ) で検索できるほか、 14 のテーマについて組写真として掲げた。

■植物の種の同定

   植物の採集は、 1964 年、 1970 年、 1978 年の調査においてほぼ終わっていた。

   種の同定は、 1964 年と 1970 年の標本に関しては、 Stanford 大学の故 Ira Wiggins 教授の同定、および同教授同定の標本との付き合わせにより同定した。これらの標本とスライド写真はほぼ対応していて、またその後に撮影した写真についても同様の突き合わせにより種名を同定した。一部の植物写真に関しては、元ダーウィン研究所植物部研究員 Heinke Jaeger, M. Sc. (ベルリン工科大学)から助言を得た。

■植物和名

   日本と共通してガラパゴスに自生する植物はごく少数である(例:ツボクサ)。ガラパゴスに自生する被子植物には7つの固有属があり、約 220 種が固有種である。これらをふくめ、日本に産しない科・属・種は多数にのぼる。そのうち、何らかの和名が与えられている植物には、既存の和名を用いた(例:ヨウガンサボテン、セドロノキ)。和名が与えられていない植物種には下記の方式で和名を与えてある。

  • 固有属植物
       固有属植物に関しては、学名(属名+種小名)をかな書きする(スカレシア・アフィニス)。
  • 同属植物が日本に産しないガラパゴス固有種
       学名(属名+種小名)をかな書きする(例:ノラナ・ガラパゲンシス)。
  • 同属植物が日本に産するガラパゴス固有種
       属和名にガラパゴスを冠した和名を与えた(例:ガラパゴススベリヒユ)。
       従って、「ガラパゴス XXX 」なる和名はすべてガラパゴス固有種である。
  • 同属植物が日本に産するガラパゴス非固有自生種
       属和名の1種とした(例:サンショウ属の1種)。
  • 日本に産しない属の自生種
       学名(属名+種小名)をかな書きする(例:クリプトカルプス・ピリフォルミス)。
       現地で通用している俗称を用いた例もある(パロサント)。
  • ガラパゴス植物の学名の出典
       J. E. Lawesson, H. Adsersen & P. Bentley
       An updated and annoted checklist of the vascular plants of the Galapagos Islands.
       Reports from the Botanical Institute, University of Aarhus. No. 16. 1987.
  • 熱帯植物の和名の出典
       熱帯植物研究会 ( 編 ) 、熱帯植物要覧.大日本山林会 1984 年刊.